皆さんは社会保険と聞いてピンとくるでしょうか?
社会保険というと雇用保険や健康保険、厚生年金保険などを指しますが、会社で正社員として働いていると、社会保険について関わる機会が少ないかと思います。
それもそのはずで、普通に働いているだけで会社が必要な手続きを全てしてくれていたので、特に気にしなくても問題ありませんでした。
しかし、派遣薬剤師として働き始める際にこの社会保険についての知識が必要になるケースがあります。
もしかして、派遣薬剤師には社会保険がない!?
先に言っておくと、派遣薬剤師で働いてもしっかり社会保険を受けることができるので安心してください!
では、なぜ必要になるのか?
それは社会保険の加入には条件があって、それを満たさなければ加入することができないためです。
そこで今回は転職時に気になる社会保険について、もっと具体的にいうと雇用保険や健康保険、厚生年金保険等について、安心して働き始められるように詳しく説明していきます。
目次
まずは知っておきたい!社会保険についての知識
そもそも社会保険は一般的に福利厚生に分類されます。
福利厚生にも法律で実施が義務付けられている法定福利厚生と、会社が独自に実施している法定外福利厚生というものがあり、社会保険は前者の法定福利厚生にあたります。
派遣薬剤師の福利厚生について詳しく知りたい方は、こちらの記事をどうぞ!
つまり、社会保険は法律で定められたものなので、どこの派遣会社でも受けられる福利厚生のひとつです。
この社会保険ですが具体的に雇用保険、健康保険、厚生年金保険、介護保険、労災保険の5つから構成されます。
雇用保険とは
労働者の安定した雇用や就業の促進を目的とする保険制度です。加入していると受けられる給付として、失業した際に一定期間受け取ることができる求職者給付(失業保険)、育児や介護で休業する場合に支給される育児休業給付や、介護休業給付などがあります。
健康保険とは
ケガや病気、出産、死亡への保障をする医療保険の1つで、会社に勤務する人が加入するものです。日本は国民皆保険制度を採用しており、全ての国民が医療保険に加入する必要があります。ケガや病気をした際に、治療費やその他の費用の一部を国・自治体が負担してくれます。病院を受診した際に受診料が3割負担ですむのは、この保険に加入しているためです。
厚生年金保険とは
会社に勤務する人が加入する公的年金制度です。老後の生活や死亡に備えるための保障制度で、積み立てた金額に応じた年金を老後に受け取ることができます。また、病気やケガで障害が残った場合には障害年金、加入者本人が死亡した時には遺族に対して遺族年金などが支給されます。
介護保険とは
介護を必要とする人が適切なサービスを受けられるよう社会全体で支え合うことを目的とした制度で、満40歳になると加入が義務付けられています。39歳以下の人はこの介護保険を利用できません。介護保険を利用して介護認定を受けると、介護給付を受けることができます。
労災保険とは
仕事中や通勤中に起きた事故や災害が原因とされる病気、ケガ、障害、死亡などに対して保障を行う保険制度です。保険給付の受給方法は、条件により一時金形式と年金形式があります。 また、保険給付以外にも災害にあった労働者本人の社会復帰の支援や、災害によって亡くなった労働者の遺族への援助が組み込まれています。
派遣薬剤師でも社会保険に加入可能?
加入に必要な条件と手続きとは
先ほど説明した通り、社会保険は法律で定められているため、どこの派遣会社でも加入できます。
ただし!それは雇用期間が2ヵ月を超えて、週20時間以上勤務する予定ならばです。
注意しなければならないのは、週20時間未満のパートタイム勤務、1~2ヵ月の短期間勤務などの場合です。
派遣薬剤師のメリットは何といっても高時給で自由な働き方ができる点ですが、勤務時間や勤務日数が少なかったり、勤務期間が短すぎると加入条件の対象外になってしまう可能性があります。
社会保険の加入条件について、ざっくりと表にまとめましたので参考にどうぞ。社会保険の加入を希望する場合は、働き始める前に加入条件について必ず確認しましょう。
雇用期間・勤務時間 | 健康保険・介護保険、厚生年金保険 | 労災保険 | 雇用保険 | |||
従業員数 501名以上 |
従業員数 500名以下 |
|||||
2ヶ月を超える雇用 | 週30時間以上 | ○ | ○ | ○ | ○ | |
週20時間~30時間未満 | ○ | △ *1 | ○ | ○ | ||
週20時間未満 | – | – | ○ | – | ||
2ヶ月以下の雇用 | 1ヶ月~2ヶ月の雇用 | – | – | ○ | △ *2 | |
1ヶ月未満の雇用 | – | – | ○ | – |
*1 保険適用について、労使の合意(働いている方々の2分の1以上と事業主が社会保険に加入することに合意すること)があれば対象とすることができます。*2 勤務時間が週20時間未満の場合は加入対象外です。
また、これらの加入手続きに関しては派遣会社が全て行ってくれるため、特に面倒な手続きはありません。派遣会社の指示に従いましょう。
福利厚生で派遣会社を選ぶなら大手が安心
登録する派遣会社を選ぶ条件として、求人件数や高時給の求人の有無などの他に、福利厚生についても確認してみると良いかもしれません。
社会保険については、法律で定められた福利厚生なのでどこの派遣会社でもしっかり受けることができます。しかし、映画館の割引やスポーツジムの割引等の法定外福利厚生は、各派遣会社によって違ってきます。
どのような福利厚生があるのか確認したい場合は、派遣会社のホームページで見ることができます。もし気になることがあれば、登録時に必ず確認するようにしましょう!
個人的な感想をいうと、基本的な福利厚生で比べるとどこの派遣会社でも同じです。
ただ、大手の派遣会社の方が手続きや対応に慣れているため、初めて派遣薬剤師として働き始めるなら安心です。